top of page
水質検査


外見ケアと医療
 

がん治療による見た目の変化(脱毛など)は、「仕方ないもの」とされていました。しかし、がん治療の進歩により、社会で働く患者さんも増えた治現在では、そのような見た目の変化へのケア(外見ケア・アピアランスケア)も重要なものとされるようになっています。
このページでは、がんの現状と外見ケアの例を、「女性のがんと外見ケア」より抜粋してお伝えします。


 
「女性のがんと外見ケア」著者
分田 貴子(Wakeda Takako)
写真_分田貴子.jpg
​博士(医学)/東京大学医学部附属病院,​がん相談支援センター


がん患者さんに向けた
外見ケア

 

​1. 女性のがん

【がんにかかる人は年々増加しています】

がんの罹患率は、男女とも年々増加しています。がん統計(2018年時点)によると、女性が「生涯でがんに罹患する確率」は、46%と報告されています(男性は62%)。つまり、「女性の2人に一人が、一生のうちに、何らかのがんにかかる」ことになります。
​特に、乳がんにかかる率は高く、1970年代以降、増加が続いています。現在では、「一生のうち、女性の11人に1人が乳がんになる」とされるなど、非常に身近な病気となっています。大腸がんも、女性の罹患率が増加し、女性では2番目に多いがんとなっています。


 
女性・部位別のがん罹患率.png
女性・部位別のがん罹患率(一生のうちにがんになる確率)
国立がん研究センター 2013年調査を一部改変して抜粋


【一方でがん死亡率は低下しています】

がん罹患率は、男女ともに毎年増加している一方で、治療法の進歩などにより、年齢調整がん死亡率(高齢などの影響を取り除いたがん死亡率)は低下しています。
​多くの方が、がん治療中または経験者という時代と言えますね。

 
年齢調整がん死亡率 年次推移(1958~2020年)
がん年齢調整死亡率.png
国立がん研究センター がん死亡率年次推移ページより転載
​2. がん治療で起こりうる見た目の変化​​

がん治療によって、脱毛、肌の変化、手術の跡など、全身に様々な変化が起こります。どのような変化が起こるかは、治療の内容によって異なり、すべてが起こるというわけではありません。また、個人差もあります。
見た目の症状に対して、「これをやったら必ず予防できる」「これをやったら必ずよくなる」というはっきりとした証拠があるケアはほとんどありません。しかし、カバーメイクなどの外見ケアによって、見た目の変化を目立たなくすることが出来ます。

 
がん治療によって起こりうる症状
​3. 外見ケアの例(カバーメイク)

足の手術あとにお悩みの方、
​カバー用クリームを使うことでかなり目立たなくすることが出来ました

 
図1.png
​4. 様々な外見ケア

​皮膚変化だけでなく、脱毛や爪の変化など、様々な見た目の変化に合わせて、様々なケアがあります。外見ケアによって、心理的な苦痛や生活の制限を減らせる可能性もあります。
 
外見ケアによる日常生活への影響
東大病院がん相談支援センターでの取り組み

東大病院・がん相談支援センターでは、一般的ながん相談に加え、ウィッグの相談や試着、乳がん下着類の紹介、カバーメイクの指導など、見た目の変化によるお悩みに広く対応しています。東大病院におかかりでない方も、無料でご利用いただけます。


 




東京大学医学部附属病院・がん相談支援センターHP
https://todai-gansodan.jp/

分田先生の活動紹介ページ
https://todai-gansodan.jp/doc_activity/

東大病院カバーメイク相談・研究グループのフェイスブックページ
https://www.facebook.com/todai.covermake/



 
女性のがんと外見ケア・表紙
bottom of page